むかし乗った寝台列車と、自分だけの時間

コラム
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今と昔

僕は今家事育児に副業と、隙間時間は全て埋めるような生活をしている。

朝起きた時間から子供達が起きるまでの僅かな時間が今の自由時間だ。

そんな僕も高校卒業から工場で働き始め、給料が全額お小遣いだったので高校時代の友人とゲームセンターやカラオケで夜を明かすこともあった。

段々飽きてくると実家で見つけた鉄道雑誌が目に留まる。

寝台急行 銀河 引退 

大きく書かれた見出しが僕の鉄道旅のきっかけだった。

思い出の風景

右も左もわからない中、最寄駅で寝台列車の切符を購入。

後日仕事終わりに名古屋駅のホームで最終列車を見送ると段々と不安になってきた。

本当にくるのだろうか。深夜1時を回る頃、青き流星がガガガ、ガガガと

エンジン音が頭に鳴り響きながら降ってきた。

あまりにも美しい流星に興奮のあまり夢中でデジカメで写真を撮り、慌てて乗車した。

車内では車掌が切符の確認をするが乗車券は?と聞かれる。

無知を晒すが寝台券を買えば名古屋から東京まで乗れると思っていた。

車内清算の時間が異常に長かった記憶がある。

そんな苦い体験をしても尚、僕にとっては最高のエンターテイメント。

興奮のあまり寝ることができず、休憩席で過ぎゆく駅や街をずっと眺めてた。

今みたいに手軽に動画を撮れるスマホなんてない。自分の記憶に必死に焼き付けた。

時間と後悔

今の僕にはゆっくりと流れ行く駅や街を眺める時間はない。

愛する妻に巡り合うことができて、愛おしい子どもたちに出会えたことは間違いなく自分は幸福だと胸を張って言える。

ただあの流れゆく時間をもっと噛み締めるべきだったと後悔がある。

複数の思いの間で揺れ動くのは今後も続くのだろう。

またいつの日か

今の日本において寝台列車で旅をするのは難しい。

社会情勢、経済合理化といった大きな流れが寝台列車での旅を難しくしている。

しかし海外に目を向ければ今だ移動手段の1つだ。

僕もヨーロッパを訪れた時に1度だけ乗った。

あの右も左もわからない中で感じた興奮が蘇った。ああ、また乗りたい。

寝台列車には言語化ができない魅力も詰まっている。

僕は妻、子どもらに心が動く体験をして欲しいと思っている。

その中で寝台列車で非日常的な景色を見せることは小さな野望でもある。

今度は流れ行く景色を見ながら家族で語り合う。

家族に出会えたことで、新しい楽しみを見つけられた。

しかし1人で寝台列車で旅をしたい。そんな気持ちもまたあるのだ。

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